大判例

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松山家庭裁判所 事件番号不詳 判決

本籍 宮城県桃生郡二俣村大字三輪日七十五ノ一

住居 愛媛県今治市宝来通

特種飮食店営業 日野あやめ 大正二年五月二十九日生

主文

被告人を罰金八千円に処する

右罰金を完納する事が出来ない時は金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する

訴訟費用は被告人の負担とする

理由

被告人は内縁の夫抽山輝市と共に住居地に於て飮食店を営んで居る者であるが孰れも右飮食店に女給として雇入れた児童である

(一)  ○塚○子(昭和十一年一月十八日生)をして昭和二十八年十二月一日より同月十三日迄の間約十一回に亘り自宅に於て氏名不詳者と淫行を為さしめ

(二)  平○○子(昭和十二年十一月二十七日生)をして同年十二月一日頃より同月十四日頃迄の間九回に亘り自宅に於て○下○次郎外数名と淫行を為さしめ

(三)  ○藤○子(昭和十二年一月十日生)をして同年十二月四日頃迄の間約六回に亘り目宅に於て○川○利外数名と淫行を為さしめ

夫々利得したものである

証拠

一、被告人の当公廷に於ける供述

一、証人吉田美枝子の当公廷に於ける供述

一、○塚○子の司法警察員に対する供述調書

一、平○○子の司法警察員に対する供述調書

一、○藤○子の司法警察員に対する供述調書

一、○塚○子、平○○子及○藤○子の各本籍調書

一、○下○次郎、○本○義、○川○利の各司法警察員に対する供述調書。

適用法条

児童福祉法第三十四条第一項第六号第六十条第一項(罰金刑選択)

刑法第五十四条第一項第十八条

刑事訴訟法第百八十一条第一項

本件公訴事実中

被告人が昭和二十九年一月中旬頃同月下旬頃今治市広小路石鎚旅館、つたや旅館に於て○藤○子をして○川○利等と淫行を為さしめたとの点に付ては之を認むべき証明充分でないが本件は包括一罪として起訴せられた事実の一部に過ぎぬので主文に於ては無罪の言渡をしない。

尚、弁護人は○塚○子の生年月日に付きては母親より昭和九年一月十八日生なる旨の書類を提出せられ之を措置した為め被告人に過失無かりし旨弁疎すれども最近の実状としては保護者に於ても此種の法規を知り女を特種飮食店に雇傭せしむる為め故意に年齢を偽り満十八歳以上なりと称し営業者を欺く傾向頻発せるに依り一応此間の真想を調査することを要するに拘らず不注意にも之を怠慢に付し保護者の言辞を軽信して慢然雇入たるは過失なしと断定し難きものと認定する。

然し情状としては稍酌量の余地ありと思料する因て諸種の事情を綜合考覈して主文の通り判決する。

(裁判官 島川享)

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